STARLESS、届きました [Progressive]
とりあえず興味があったのでアマゾンで予約はしたものの、その「あざとさ」が見え隠れする企画、あまりのボリュームに腰が引けてしまい、「ま、とりあえず予約はしておいて、発売日までにキャンセルするか購入するか決めよう」と、思っていたKing CrimsonのStarless、勿論、1973後半~1974年4月までにとりためてあったライブを中心とした過去音源の27枚組超絶ボックスセットであるが、先月下旬にアマゾンから「発売延期になったので納期が11月8~10日になる」という旨のメールがあった。
「やはり、これは何かしかの力が購入を思いとどまらせようとしているのだな。うむうむ、やはりそうか」などと思い、半ばキャンセルする気でいたところ、いきなり一昨日「発送しました」というメールに戸惑う間もなく、予定より一週間も早く届いてしまった。
ったく、アマゾン何やってんだ。
Starless / King Crimson
まぁ、なんだかんだ言いつつも購入意思が全くなかった、と言えば勿論それも嘘なわけで、迷っているところを巧く背中を押されたような妙な気分だが、買ってしまったものは楽しまなきゃ、と、とりあえずThe Road To Redの時にように解体確認作業(笑)を行った。
これが外観。LPサイズの分厚いボックス。Starless And Bible BlackのLPのようにマットな質感にこだわるのでは、と期待したが、残念ながらThe Road To Redと同じつるつるの仕上げだった。この装丁はStarless And Bible Blackのアナログを所持している俺にしてみればちょっと残念。
さて、俺の予想では、この箱を開ければ先ずStarless And Bible Blackのアートワークが再現されたものが待ち構えているはずだ。
ほーら、やっぱりな。表箱の裏面もStarless And Bible Blackの内ジャケを模してあり、芸が細かい。
裏返してみると、LPのパッケージの裏面も再現されていた。
あれ?Starless And Bible Blackは見開きジャケットだったはずだが?あ、折り目がある。と、言う事は、これを広げればそこには当然・・・
あはは、やっぱりだよ。LPと同じデザインだ。
そしてその下に控えしは分厚いブックレット。
細かいデータやこんな写真がいっぱい。充実した内容。
その下から現れるのは、復刻された1973年10月のイギリスツアーのフライヤー。
次は何やらフォルダ状のものが出現。
中には復刻されたフライヤーやらプロモーション用のバイオグラフィーやらメモ書きやら、マニアなら喜びそうなおまけが沢山。
ん?左奥に見える何やら規則的なこれは?
おおっ、グループショットのネガフィルムのベタ焼きだ。これはなかなか興味深い・・・かな?
次は素っ気なく収納された3枚のボーナスディスク。ずいぶんとぞんざいな扱い(笑)
そして遂に出現する本体。
The Road To Redと同じように、3面に折畳まれたジャケットにむき出しのディスクを3枚収納。これが8セットで24枚、先ほどのボーナスディスクとあわせて合計27枚!
実はこれとは別にダウンロードチケットが封入されており、フランクフルトの公演で演奏された11曲が無料でダウンロード出来る。
さぁて、これからじっくり時間をかけて聞き込もう。内容のレポートは・・・一ヶ月くらい後になるかな。
「やはり、これは何かしかの力が購入を思いとどまらせようとしているのだな。うむうむ、やはりそうか」などと思い、半ばキャンセルする気でいたところ、いきなり一昨日「発送しました」というメールに戸惑う間もなく、予定より一週間も早く届いてしまった。
ったく、アマゾン何やってんだ。
Starless / King Crimson
まぁ、なんだかんだ言いつつも購入意思が全くなかった、と言えば勿論それも嘘なわけで、迷っているところを巧く背中を押されたような妙な気分だが、買ってしまったものは楽しまなきゃ、と、とりあえずThe Road To Redの時にように解体確認作業(笑)を行った。
これが外観。LPサイズの分厚いボックス。Starless And Bible BlackのLPのようにマットな質感にこだわるのでは、と期待したが、残念ながらThe Road To Redと同じつるつるの仕上げだった。この装丁はStarless And Bible Blackのアナログを所持している俺にしてみればちょっと残念。
さて、俺の予想では、この箱を開ければ先ずStarless And Bible Blackのアートワークが再現されたものが待ち構えているはずだ。
ほーら、やっぱりな。表箱の裏面もStarless And Bible Blackの内ジャケを模してあり、芸が細かい。
裏返してみると、LPのパッケージの裏面も再現されていた。
あれ?Starless And Bible Blackは見開きジャケットだったはずだが?あ、折り目がある。と、言う事は、これを広げればそこには当然・・・
あはは、やっぱりだよ。LPと同じデザインだ。
そしてその下に控えしは分厚いブックレット。
細かいデータやこんな写真がいっぱい。充実した内容。
その下から現れるのは、復刻された1973年10月のイギリスツアーのフライヤー。
次は何やらフォルダ状のものが出現。
中には復刻されたフライヤーやらプロモーション用のバイオグラフィーやらメモ書きやら、マニアなら喜びそうなおまけが沢山。
ん?左奥に見える何やら規則的なこれは?
おおっ、グループショットのネガフィルムのベタ焼きだ。これはなかなか興味深い・・・かな?
次は素っ気なく収納された3枚のボーナスディスク。ずいぶんとぞんざいな扱い(笑)
そして遂に出現する本体。
The Road To Redと同じように、3面に折畳まれたジャケットにむき出しのディスクを3枚収納。これが8セットで24枚、先ほどのボーナスディスクとあわせて合計27枚!
実はこれとは別にダウンロードチケットが封入されており、フランクフルトの公演で演奏された11曲が無料でダウンロード出来る。
さぁて、これからじっくり時間をかけて聞き込もう。内容のレポートは・・・一ヶ月くらい後になるかな。
The Road To Red (21cd+Dvd-Audio+2blu-Ray)(Limited Edition Box Set)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Panegyric
- 発売日: 2013/10/17
- メディア: CD
Starless / King Crimson (なな、なんですか?これは・・・) [Progressive]
先ほど、アマゾンを探索していたら、こいつに正面衝突・・・自分の目を疑ったぜ。
STARLESS / King Crimson
この作品、判っているのは、発売は10月28日、27枚組だってことだけで、収録内容については全く記述無し。発売元はDiscpline Globalとあるので、正規版だろう。ネットで調べてみたが、情報を引っ張り出すことは出来なかった。む〜・・・俺の勝手な予想では、Starless And Bible Blackのベーシックトラックとなった1973年11月23日、オランダのコンセルトヘボウの公演を中心に、その前後のライブ録音をまとめたものではないか、と思うのだが。
それにしても、24枚組のThe Road To Redの時にも驚かされたが、今度はそれを上回る27枚組だよ。まぁ、その内2枚はすで製品化されているコンセルトヘボウの公演を収録したNight Watch、1枚はStarless And Bible Blackであろうことは容易に察しがつくし、The Road To Redと同じように、録音状態のいいライブをBlu-Ray Audioにまとめて収録したりしていることが予想されるが、充分な音源があるのだろうか?そして、もしあったとしても、リスナーを納得させられるだけのクオリティのものなのだろうか?
いずれにせよ、収録内容に興味津々だ。
【後日記】聴いてみた感想はこちら。
STARLESS / King Crimson
この作品、判っているのは、発売は10月28日、27枚組だってことだけで、収録内容については全く記述無し。発売元はDiscpline Globalとあるので、正規版だろう。ネットで調べてみたが、情報を引っ張り出すことは出来なかった。む〜・・・俺の勝手な予想では、Starless And Bible Blackのベーシックトラックとなった1973年11月23日、オランダのコンセルトヘボウの公演を中心に、その前後のライブ録音をまとめたものではないか、と思うのだが。
それにしても、24枚組のThe Road To Redの時にも驚かされたが、今度はそれを上回る27枚組だよ。まぁ、その内2枚はすで製品化されているコンセルトヘボウの公演を収録したNight Watch、1枚はStarless And Bible Blackであろうことは容易に察しがつくし、The Road To Redと同じように、録音状態のいいライブをBlu-Ray Audioにまとめて収録したりしていることが予想されるが、充分な音源があるのだろうか?そして、もしあったとしても、リスナーを納得させられるだけのクオリティのものなのだろうか?
いずれにせよ、収録内容に興味津々だ。
【後日記】聴いてみた感想はこちら。
Starless & Bible Black: 30th Anniversary Edition
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Discipline Us
- 発売日: 2005/07/19
- メディア: CD
The Road To Red (21cd+Dvd-Audio+2blu-Ray)(Limited Edition Box Set)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Panegyric
- 発売日: 2013/10/17
- メディア: CD
The Road To Red、聴いてみた [Progressive]
随分と長い間更新していなかった。
さて、King Crimsonが行った1974年の米国ツアー後半の模様、16公演+αを24枚のディスクに収め、豪快にパッケージ化した超絶ボックスセット、The Road To Red、聴いてみたので感想を。とは言っても、全てのディスクに個別のコメントなんか入れようも無いので、作品を横断的にざっくりと。
The Road To Red / King Crimson
この作品の最大の価値は、同じ曲を複数のパターンで聴き比べる事ができる、という点に集約されている。この時期のKing Crimsonはライブでの評判が非常に高く、数多の海賊盤が市場に出回っていたが、今回、CD20枚に渡って収録されている16もの公演をじっくり聴いてみて、その凄さを改めて確認することが出来た。
Bill Brufordのドラム、パーカッションは豪放磊落だ。豊かな創造力で縦横無尽に叩きまくる。同じ曲であっても、公演によってパターンが違っていたりするのは当たり前。スネアのタイミングも裏になったかと思えば表に戻ったりと、実に臨機応変に、というより、感性に任せて自由に叩いている。YesからBill Brufordを引き抜いたRobert Frippは「退屈なリズムキープから有能なジャズドラマーを解放してやった」なとど嘯いていた記憶があるが、納得だ。
この飛び道具のようなドラミングに対峙するベースのJohn Wettonが相当苦労したことは想像に難くないが、素晴らしいコンビネーションをみせつつも、ここぞ、という箇所では存在感のある音で自由自在に弾きまくり、ミュージシャン・シップの高さを存分にアピール。
これらのリズム隊に支えられた御大、Robert Frippのギターは素晴らしい輝きを見せる。彼もまた、既存の曲においても、ひらめきでフレージングを変更したりするが、これがまさに変幻自在。ソロパートにおいては何をか言わんや、圧倒的な力量と独創的なフレージングでグイグイと押してくる。が、決めるべき所はきっちりと決めており、これによってバンド・アンサンブルは目標地点を見失う事無く疾走することが出来る。圧倒的な求心力。
キーボード、バイオリン担当のDavid Crossも時として伸びやかに、時として緊張感を漂わせながらもバンドの音に華をそえる。旋律担当弦楽器奏者としてのFrippとのコンビネーションの取り方も絶妙。
こう文字にすると完璧な印象になるが、そこは彼らとて人間、実は結構、ミスもあったりする。Bill Brufordが裏とも表とも判断出来ない曖昧なタイミングでスネアを叩いてしまい、アンサンブルがグダグダに崩れたり、John Wettonがベースのフレージングをタメ過ぎて、とんでもないタイミングで間抜けな音を出したり、David Crossが複雑なシンコペーションのパターンを失念し、アンサンブルが決まらなかったり、あろうことか御大Robert Frippまでもが、Starlessにおいて、きっちり回数が決まっていた筈の進行を間違って一部飛ばしてしまい一人で暴走したり、と、注意深く聴くと結構突っ込みどころもあるのが微笑ましい。
とはいいつつ、それらの不手際は僅かであり、概ね超ハイ・テンションかつ超人的な集中力が相乗効果をもたらしているプレイの連続は圧巻。収録されている16公演の選曲はどれも似たり寄ったりであるにも関わらず、それぞれの公演にそれなりの聴き所があり、どのディスクを聴いても飽きるという事が無いのは凄い。
音質面においては、海賊盤から起こしたものあったりして、全てが良好と言う訳にはいかない。また、収録状況も、曲の頭が切れていたり、途中で終わってしまっているディスクが多く、その数は半数程に上る。海賊盤ならいざ知らず、サウンドボードからの録音でも頭切れしているものがあり、全くミキサー卓についていたスタッフは何やってたんだ、と、突っ込みを入れたくなる。以前、ここでも紹介した1973年のアムステルダムでのライブ盤、Night Watchもステージの冒頭部分が欠損しているが、あれは潔く不完全な一曲目はカットし、二曲目の冒頭から収録していたのに、なんで今回は不完全な曲まで収録したのだろう、との疑問が残るが、おそらく、ステージの記録として、あるものは出してしまおう、という判断だったのだろう。
また、Asbury Parkの公演が2回、ミックス違いで重複収録されている。事前に公表されていた収録曲情報から、Disc15はCollectable King Crimson Vol.1に収録されていたものにインプロビゼーションを追加した完全版、と思っていたのだが、実際はEasy Moneyの後半の即興演奏部分を、別の曲としてクレジットしていただけだった。つまり、Disc15とDisc16はミキシングが異なるだけで収録されている演奏は同じである。
Disc21に収録されているRedの2013 Stereo Mixでについては、今までのミックスでは聴こえてこなかった音も鮮明に聴こえるミックス・ダウンがされているものの、「だから何?」って感じは否めない。ま、16公演中、14の公演でStarlessが演奏されており、連続した公演を経て、当時は未発表の新曲であったStarlessはライブの積み重ねで磨かれて最終的にこうなりました、って事なんだろうけど。多分、このあたりが作品のタイトル、The Road To Redの由来なんだろう。
さて、この24枚組のセット、第3期King Crimsonの全てのファンに是非聴いて欲しいのだが、若干、というか、かなり悩ましいことがあって。
Disc1からDisc21まではCDフォーマット、Disc22はKing Crimson USAの30th anniversary remaster、及び、その元ネタとなったDisc15とDisc16に収録されているものと同内容、そして、Disc21とこれまた同内容のRed 2013 stereo mixがDVDオーディオに収録されている。Disc23では、Disc1からDisc20までのマルチ・トラックで録音された、即ち音質の良い4公演がブルーレイ・オーディオにハイレゾで収録、Disc24には、再びRedやらUSAやら、その元ネタであるAsbury parkでの公演がミックス違いでこれでもかとブルーレイ・オーディオにハイレゾで収録されているのだが・・・
なんとウチの環境ではDisc23が再生出来なかった。しかし、同じ規格であるDisc24は問題なく再生出来る事から、購入元のカスタマー・サービスに連絡したところ、同様の指摘が複数あり調査中、とのことだった。たっぷり3週間待たされたのち、販売元にはそのような不具合は報告されていないので、個体不良である可能性が高く、代替品を送るとのこと。しかし、届いた代替品でも全く同じ症状が発生。再度、クレームを入れたところ、機種依存の可能性を含め、調査するので待ってくれ、との返答。再び2週間以上もたっぷり待たされた後、販売元は商品のロット不良とは認識しておらず、機種依存の可能性を検証することはないとの回答があった、との報告。そして、再び代替品を送っても同様の症状が発生する可能性がある、よって、返品、返金にさせてくれ、と、ある意味良心的な対応があったのだが。
冗談じゃないよ。俺は気に入っているんだよ。
まぁ、前述の通り、問題のDisc23に収録されている演奏は、Disc1からDisc20までに全て含まれているし、なによりこの超ド級のセットを所有しているという満足感を放棄する気にならず、返品、返金の申し出は辞退、というより拒否した。
再生出来ないディスクがあろうと、劣悪な音質のディスクがあろうと、過去作品と収録内容が一部重複していようと、The Road To Redは、「音楽データ」では無く、手に取って楽しむ事の出来る「物」として持っていたい、と思える程に、この作品はファンの所有欲を強烈に刺激する作品なのだ。
市場価格では2万前後が妥当な線のようだが、Disc1からDisc21まででも充分その価値はある。そもそも、ブルーレイ・オーディオの恩恵を充分堪能出来るような立派なオーディオ・セットを所有しているような人は少数派なのではないだろうか?事実、ウチの機材では充分とは言えないし。
以上のような再生機種に依存するトラブルが発生する可能性もあり、無条件に責任推奨、と言えないのは残念だが、第3期King Crimsonのファンなら、所有していることに喜びを感じることだろう。
限定盤らしいので、迷っている人は早めに決断した方がいいと思う。
さて、King Crimsonが行った1974年の米国ツアー後半の模様、16公演+αを24枚のディスクに収め、豪快にパッケージ化した超絶ボックスセット、The Road To Red、聴いてみたので感想を。とは言っても、全てのディスクに個別のコメントなんか入れようも無いので、作品を横断的にざっくりと。
The Road To Red / King Crimson
この作品の最大の価値は、同じ曲を複数のパターンで聴き比べる事ができる、という点に集約されている。この時期のKing Crimsonはライブでの評判が非常に高く、数多の海賊盤が市場に出回っていたが、今回、CD20枚に渡って収録されている16もの公演をじっくり聴いてみて、その凄さを改めて確認することが出来た。
Bill Brufordのドラム、パーカッションは豪放磊落だ。豊かな創造力で縦横無尽に叩きまくる。同じ曲であっても、公演によってパターンが違っていたりするのは当たり前。スネアのタイミングも裏になったかと思えば表に戻ったりと、実に臨機応変に、というより、感性に任せて自由に叩いている。YesからBill Brufordを引き抜いたRobert Frippは「退屈なリズムキープから有能なジャズドラマーを解放してやった」なとど嘯いていた記憶があるが、納得だ。
この飛び道具のようなドラミングに対峙するベースのJohn Wettonが相当苦労したことは想像に難くないが、素晴らしいコンビネーションをみせつつも、ここぞ、という箇所では存在感のある音で自由自在に弾きまくり、ミュージシャン・シップの高さを存分にアピール。
これらのリズム隊に支えられた御大、Robert Frippのギターは素晴らしい輝きを見せる。彼もまた、既存の曲においても、ひらめきでフレージングを変更したりするが、これがまさに変幻自在。ソロパートにおいては何をか言わんや、圧倒的な力量と独創的なフレージングでグイグイと押してくる。が、決めるべき所はきっちりと決めており、これによってバンド・アンサンブルは目標地点を見失う事無く疾走することが出来る。圧倒的な求心力。
キーボード、バイオリン担当のDavid Crossも時として伸びやかに、時として緊張感を漂わせながらもバンドの音に華をそえる。旋律担当弦楽器奏者としてのFrippとのコンビネーションの取り方も絶妙。
こう文字にすると完璧な印象になるが、そこは彼らとて人間、実は結構、ミスもあったりする。Bill Brufordが裏とも表とも判断出来ない曖昧なタイミングでスネアを叩いてしまい、アンサンブルがグダグダに崩れたり、John Wettonがベースのフレージングをタメ過ぎて、とんでもないタイミングで間抜けな音を出したり、David Crossが複雑なシンコペーションのパターンを失念し、アンサンブルが決まらなかったり、あろうことか御大Robert Frippまでもが、Starlessにおいて、きっちり回数が決まっていた筈の進行を間違って一部飛ばしてしまい一人で暴走したり、と、注意深く聴くと結構突っ込みどころもあるのが微笑ましい。
とはいいつつ、それらの不手際は僅かであり、概ね超ハイ・テンションかつ超人的な集中力が相乗効果をもたらしているプレイの連続は圧巻。収録されている16公演の選曲はどれも似たり寄ったりであるにも関わらず、それぞれの公演にそれなりの聴き所があり、どのディスクを聴いても飽きるという事が無いのは凄い。
音質面においては、海賊盤から起こしたものあったりして、全てが良好と言う訳にはいかない。また、収録状況も、曲の頭が切れていたり、途中で終わってしまっているディスクが多く、その数は半数程に上る。海賊盤ならいざ知らず、サウンドボードからの録音でも頭切れしているものがあり、全くミキサー卓についていたスタッフは何やってたんだ、と、突っ込みを入れたくなる。以前、ここでも紹介した1973年のアムステルダムでのライブ盤、Night Watchもステージの冒頭部分が欠損しているが、あれは潔く不完全な一曲目はカットし、二曲目の冒頭から収録していたのに、なんで今回は不完全な曲まで収録したのだろう、との疑問が残るが、おそらく、ステージの記録として、あるものは出してしまおう、という判断だったのだろう。
また、Asbury Parkの公演が2回、ミックス違いで重複収録されている。事前に公表されていた収録曲情報から、Disc15はCollectable King Crimson Vol.1に収録されていたものにインプロビゼーションを追加した完全版、と思っていたのだが、実際はEasy Moneyの後半の即興演奏部分を、別の曲としてクレジットしていただけだった。つまり、Disc15とDisc16はミキシングが異なるだけで収録されている演奏は同じである。
Disc21に収録されているRedの2013 Stereo Mixでについては、今までのミックスでは聴こえてこなかった音も鮮明に聴こえるミックス・ダウンがされているものの、「だから何?」って感じは否めない。ま、16公演中、14の公演でStarlessが演奏されており、連続した公演を経て、当時は未発表の新曲であったStarlessはライブの積み重ねで磨かれて最終的にこうなりました、って事なんだろうけど。多分、このあたりが作品のタイトル、The Road To Redの由来なんだろう。
さて、この24枚組のセット、第3期King Crimsonの全てのファンに是非聴いて欲しいのだが、若干、というか、かなり悩ましいことがあって。
Disc1からDisc21まではCDフォーマット、Disc22はKing Crimson USAの30th anniversary remaster、及び、その元ネタとなったDisc15とDisc16に収録されているものと同内容、そして、Disc21とこれまた同内容のRed 2013 stereo mixがDVDオーディオに収録されている。Disc23では、Disc1からDisc20までのマルチ・トラックで録音された、即ち音質の良い4公演がブルーレイ・オーディオにハイレゾで収録、Disc24には、再びRedやらUSAやら、その元ネタであるAsbury parkでの公演がミックス違いでこれでもかとブルーレイ・オーディオにハイレゾで収録されているのだが・・・
なんとウチの環境ではDisc23が再生出来なかった。しかし、同じ規格であるDisc24は問題なく再生出来る事から、購入元のカスタマー・サービスに連絡したところ、同様の指摘が複数あり調査中、とのことだった。たっぷり3週間待たされたのち、販売元にはそのような不具合は報告されていないので、個体不良である可能性が高く、代替品を送るとのこと。しかし、届いた代替品でも全く同じ症状が発生。再度、クレームを入れたところ、機種依存の可能性を含め、調査するので待ってくれ、との返答。再び2週間以上もたっぷり待たされた後、販売元は商品のロット不良とは認識しておらず、機種依存の可能性を検証することはないとの回答があった、との報告。そして、再び代替品を送っても同様の症状が発生する可能性がある、よって、返品、返金にさせてくれ、と、ある意味良心的な対応があったのだが。
冗談じゃないよ。俺は気に入っているんだよ。
まぁ、前述の通り、問題のDisc23に収録されている演奏は、Disc1からDisc20までに全て含まれているし、なによりこの超ド級のセットを所有しているという満足感を放棄する気にならず、返品、返金の申し出は辞退、というより拒否した。
再生出来ないディスクがあろうと、劣悪な音質のディスクがあろうと、過去作品と収録内容が一部重複していようと、The Road To Redは、「音楽データ」では無く、手に取って楽しむ事の出来る「物」として持っていたい、と思える程に、この作品はファンの所有欲を強烈に刺激する作品なのだ。
市場価格では2万前後が妥当な線のようだが、Disc1からDisc21まででも充分その価値はある。そもそも、ブルーレイ・オーディオの恩恵を充分堪能出来るような立派なオーディオ・セットを所有しているような人は少数派なのではないだろうか?事実、ウチの機材では充分とは言えないし。
以上のような再生機種に依存するトラブルが発生する可能性もあり、無条件に責任推奨、と言えないのは残念だが、第3期King Crimsonのファンなら、所有していることに喜びを感じることだろう。
限定盤らしいので、迷っている人は早めに決断した方がいいと思う。
The Road To Red (21cd+Dvd-Audio+2blu-Ray)(Limited Edition Box Set)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Panegyric
- 発売日: 2013/10/17
- メディア: CD
The Road To Red、届きました [Progressive]
昨日届いたKing Crimsonの過去音源玉手箱、The Road To Red。名盤、Redの裏ジャケットのデザインを流用している箱はLPサイズ。うれしい事にアナログ盤のRedと酷似した質感。学生時代、Redのジャケットを手にした時の高揚感がよみがえってきた。
さて、箱を開けると・・・
そこにはなぜかUSAのアートワークが出現。これをめくると・・・
もちろん、Redのアートワーク。USAのアートワークの裏面も再現されている。はて、下には何が?
ん?これはツアースケジュール表だ。誰かが書き込んだ跡がある。何かその下にもごちゃごちゃと見えるが・・・
Holiday Innのメモ用紙に走り書きされたStarlessの歌詞、復刻されたフライヤー等、マニア心をくすぐるアイテムが。ん?左端の走り書きのある封筒は?
中には、メンバーのポートレイト。Redのジャケットのフォトセッション時のもののようだ。当初はDavid Crossも撮影に参加していたことが解る。他にも、予定演目を走り書きしたメモやら何やらおまけが沢山。
そしてLPジャケットサイズの分厚いブックレットが登場。
Frippの凛々しい姿。こんな写真がいっぱい。
そしてついに現れる本体。
CDサイズの紙パッケージを広げるとCD3枚分の大きさに。このそれぞれのスペースにCDを1枚づつ、合計3枚を収納。これがジャケ違いで8組。CDは演奏された日から順番に収録されている。最終パッケージにはDVDオーディオが1枚とブルーレイ・オーディオが2枚。
予想を上回る装丁の完成度、マニアならにやりとしてしまうおまけの数々。所持していることに喜びを感じてしまう重厚なつくり。そしてなにより圧倒的なボリューム。当初は、「バカバカしい」と思ったが、いやぁ、買ってよかった。まだ部分的にしか聴いていないが(と、いうより、全部聴くだけの時間がない)、当然、演奏内容は悪い筈は無い。これから週末にかけてじっくりと聞き込むつもり。
さて、箱を開けると・・・
そこにはなぜかUSAのアートワークが出現。これをめくると・・・
もちろん、Redのアートワーク。USAのアートワークの裏面も再現されている。はて、下には何が?
ん?これはツアースケジュール表だ。誰かが書き込んだ跡がある。何かその下にもごちゃごちゃと見えるが・・・
Holiday Innのメモ用紙に走り書きされたStarlessの歌詞、復刻されたフライヤー等、マニア心をくすぐるアイテムが。ん?左端の走り書きのある封筒は?
中には、メンバーのポートレイト。Redのジャケットのフォトセッション時のもののようだ。当初はDavid Crossも撮影に参加していたことが解る。他にも、予定演目を走り書きしたメモやら何やらおまけが沢山。
そしてLPジャケットサイズの分厚いブックレットが登場。
Frippの凛々しい姿。こんな写真がいっぱい。
そしてついに現れる本体。
CDサイズの紙パッケージを広げるとCD3枚分の大きさに。このそれぞれのスペースにCDを1枚づつ、合計3枚を収納。これがジャケ違いで8組。CDは演奏された日から順番に収録されている。最終パッケージにはDVDオーディオが1枚とブルーレイ・オーディオが2枚。
予想を上回る装丁の完成度、マニアならにやりとしてしまうおまけの数々。所持していることに喜びを感じてしまう重厚なつくり。そしてなにより圧倒的なボリューム。当初は、「バカバカしい」と思ったが、いやぁ、買ってよかった。まだ部分的にしか聴いていないが(と、いうより、全部聴くだけの時間がない)、当然、演奏内容は悪い筈は無い。これから週末にかけてじっくりと聞き込むつもり。
The Road To Red、発送するって? [Progressive]
Amazonからメールが来た。
King CrimsonのThe Road To Red、当初の予定通り発送出来る事になった、だと。
4日前に発売日が延期になった、というメールを受け取ったばかりなのに、どうなってんだ?
確認の為にUSのAmazonを見たところ、やはり発売日は11月5日のまま。と、いうことは、UKからの輸入盤と見るのが正しいんだろうな。
アカウントの注文履歴を確認すると、確かに出荷準備中になっていた。こりゃ、早ければ明日には届きそうだ。
それにしてもMy Bloody ValentineのMBVが発売された時のような混乱ぶり。まぁ、当初の予定通りに入手できるのはうれしいが、発売延期メールを受け取って落胆していたこの数日間って何だったんだろう・・・
King CrimsonのThe Road To Red、当初の予定通り発送出来る事になった、だと。
4日前に発売日が延期になった、というメールを受け取ったばかりなのに、どうなってんだ?
確認の為にUSのAmazonを見たところ、やはり発売日は11月5日のまま。と、いうことは、UKからの輸入盤と見るのが正しいんだろうな。
アカウントの注文履歴を確認すると、確かに出荷準備中になっていた。こりゃ、早ければ明日には届きそうだ。
それにしてもMy Bloody ValentineのMBVが発売された時のような混乱ぶり。まぁ、当初の予定通りに入手できるのはうれしいが、発売延期メールを受け取って落胆していたこの数日間って何だったんだろう・・・