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No Sleep 'Til Hammersmith / Motörhead (Lemmyよ、永遠に) [HM/HR]

Lemmy兄貴が亡くなった。それも全くの唐突に。癌告知の翌々日に死亡だって?どんだけボロボロになるまで頑張ってたんだよ。どうせ、「体調が悪そうだと?馬鹿言ってんじゃねぇ」とか言いながらJack Daniel'sをガブ飲みしてごまかしてたんだろ。


俺がいまさら断るまでもなく、Lemmy Kilmisterは、爆音帝王Motörheadの創設者にしてバンドの大黒柱。プロ、アマ問わず、数多のミュージシャンに影響を与えてきたロック界の最重要人物の一人であることには疑いの余地が無い。
Hawkwindを脱退後に結成したMotörheadでの活動が軌道に乗った時期が、たまたまNWOBHMムーブメントと重なっていた為、Motörheadをメタルの切り口で見る輩も多いが、それはちょっと違うんじゃねぇか、と俺は思っている。彼らが演奏していたのはどんな型にもはまらないオリジナリティー溢れるどやかましいロケンローだ。たまたま出た音響が結果的にヘヴィでメタリックではあったかもしれないが、アプローチの仕方は、いわゆる「様式美メタル」とは対極にある、と言っても過言ではない。その硬質で必要以上に情に訴えない演奏、そしてLemmyの醸し出す「漢」のイメージはメタル野郎のみならずパンクスにも支持され、ジャンルさえも超越した圧倒的なカリスマ性を身につけた。

それらの事は1981年に発表されたこのライブアルバムを聴けばおのずと分かるはずだ。

No Sleep 'Til Hammersmith / Motörhead
 
motorhead.jpg

アルバムはスピード感あふれる名曲、Ace of Spadesで幕を開ける。曲が終わると野郎どもの熱狂の歓声。ほどなく繰り出されるStay CleanではLemmyがドスの効いたベースソロを聴かせるが、尺の無意味な延長は無い。当然、長ったらしい成り行き任せのギターソロなんか無い。どの曲も2分〜4分代とコンパクトに収まっており、無政府にやりたい放題暴れ回っているようで実は制御が行き渡っている。一曲のみ、超有名曲、Overkillの収録時間が5分超となっているが、最後の40秒は演奏はなく、LemmyのMC、アジテーションだ。猛烈な勢いで発散される強烈なパワー。すげぇ。

パワーとスピード感溢れるPhil Taylorの野生を感じるドラミング、ギラギラした音で印象的なリフを弾き、ソロでは手数は多くないもののスリリングなスレーズを繰り出すEddie Clarkeのギター、リッケンバッカーを掻きむしるように鳴らし、マイクに向かって吠え立てるLemmy、これらの強烈な個性が渾然一体となって形成される巨大な音の塊が絶え間なく放たれる。アルバムを俯瞰的に見れば、爆音暴走ロケンローの絨毯爆撃。会場に充満する熱気が手に取るように分かる。暑苦しくも爽快。俺はこのアルバムをかけるとどうしてもボリュームを上げてしまう。勿論、途中で中断するなんてありえねぇ。そして、自然とJack Daniel'sのボトルに手がのびる。

収録内容はバンドの初期にして黄金期のベスト盤的選曲。捨て曲は一切なし。これは文句無く名盤保証。


それにしても兄貴、今年新作を発表したばかりじゃないか。もう、こっちじゃやり尽くしちまったのか。今頃はBon Scottと一杯やっている頃かい?


R.I.P


No Sleep 'til Hammersmith

No Sleep 'til Hammersmith

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sanctuary Midline
  • 発売日: 2013/08/19
  • メディア: CD



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たどり着けないギター・パーツ [楽器・機材]

先日、あるギターのパーツを買いに楽器屋に行った。が、パーツが陳列されている壁一面を隅から隅まで探したが目的のパーツが見つからない。レジカウンターにいるお嬢ちゃんではわかりそうになかったので、ギターのパーツに詳しい店員を呼んでもらった。

「何をお探しですか?」
「あ〜・・・名前はわからないんだけど、シンクロナイズドトレモロアームのブリッジ側に開いているトレモロアームを差し込む穴に入れてアームの位置を安定させる小さなスプリング、ある?」
「あ、申し訳ありません。ただいま在庫をきらしておりまして・・・」
「う〜ん・・・君に尋ねるのは筋違いだってわかっているんだけど」
「はぁ」
「この近辺に取り扱っていそうな楽器屋、ある?」
「目の前の交差点を渡ってすぐの所に○○楽器がありますよ」
「ありがとう。で、あのパーツ、なんて名前だったっけ?」
「えーと・・・すいません。忘れました」
「・・・」
「でも、先ほどの説明は的確でしたので、あの通り言えば通じますよ」
「また、あの長い説明をするのか・・・」

○○楽器についた俺は、自分で探す努力を放棄、迷わず店員に訊いてみた。
「えーとね、シンクロナイズドトレモロアームのブリッジ側に開いているトレモロアームを差し込む穴に入れてアームの位置を安定させる小さなスプリング、ある?」
「あ〜、あれですね、パーツのフロアーに訊いてみます」
「お願いします」
店員はしばらく内線電話でやりとりした後、悲しそうな顔を俺に向けた。
「すいません。今、在庫切らしちゃってます」
「そうなの・・・この近辺に他に楽器屋ある?」
「店の前の道を右に行ってもらうと大通りにぶつかりますんで、そこを左折してしばらくすると△△楽器があります」
「ありがとう。で、あのパーツって、なんて名前だったっけ?」
「なんていったかな?でも、お客さんの説明ですぐわかりましたんで、あの通り言っていただければ誰でもわかりますよ」
「・・・」

ちょっと迷いながらも△△楽器に到着、俺は店員を捕まえて一気にまくしたてた。
「あのね、シンクロナイズドトレモロアームのブリッジ側に開いているトレモロアームを差し込む穴に入れてアームの位置を安定させる小さなスプリング、(ぜえぜえ)ある?」
「あ〜すいません、あれは在庫切らしちゃってます」
「・・・あのパーツ、なんて名前だっけ?」
「あれ?何ていったかな?」
「・・・」

俺、撃沈。

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Dark Sky Island / enya [Ambient/New Age/Experimental]

世の中にクリスマスムードが漂うこの時期にあわせたかのように、いや、絶対にあわせて、Enyaの新しいアルバムが発表された。


Dark Sky Island / enya

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もともとEnyaは寡作であるが、前回の作品から7年という、今までに無い長い歳月が経過している。しかしながら、この時間がEnyaの音楽性にどういう変化をもたらしたか、などと気にする者はいないだろう。デビュー当時からの共同制作者、Roma Ryan、Nicky Ryanとのコンビネーションは鉄壁、案の定、一聴してEnyaと解る、あの清冽な音世界が展開されている。前作と比べて何かが大きく変わったなんてことは無い。

もしかしたら、「それなら過去作品を聴いていても同じじゃないか」と思う者も居るやも知れないし、事実、そうなのかも知れない。

しかしながら、我々ファンの多くは、現在進行形で作品を発表している、Enyaの創作活動の検証者なのだ。Enyaと同時代を生きているファンは、今回の作品を聴いて、今までと同様に「ああ、これだよこれ」と安堵することだろう。完全に出来上がっているこのスタイルは、固有の音楽文化と言っても良い。

 
これは既に一つのジャンルを確立している、と言っても過言では無い、とさえ思う。

 
この珠玉の作品をあまり分析的に聴くのもどうか、と思うが、素晴らしい作品群のほとんどはデジタル機材の恩恵を被っていることは間違いない。しかしながら、注意深く聴いてみれば、コンピュータ制御の自動演奏はほとんど使用せず、彼女一人の手による、気が遠くなるような回数のアナログな鍵盤演奏によって成立していると思われる。これはヘッドフォンで注意深く聴いてみると解るのだが、微妙な発音タイミングのずれや、同じ音色の比較的簡易なフレーズが左右に振り分けられていたりすることからも推測できる。勿論、重層化されたコーラスワークにおいては何をか言わんやである。このあたりのアナログさ加減が、一つ間違うと機械的に響く危険性をはらむ比類無き透明感のある音色に、ふっと手をかざしたくなるかすかなぬくもりをたたえている所以だと思う。いずれにせよ、総じて、ひとかけらの悪意もなく製作された楽曲の数々には安心して身を任せられる。
 
さて、次の作品は何年後になるのだろう?たとえそれが5年先であろうと、10年先であろうと、Enyaがリアルタイムで発信する音楽作品は今後も間違いなく購入することを俺は確信している。そして、アプローチが変わっていないことを確認し、安心することだろう。Enyaに、そして彼女のリスナーにとって必要なのは時代に迎合した曲創りではない。これから先も、Enyaという文化は大きく形を変える事なく「Enyaらしさ」を貫いてくれることだろう。

勿論、今までEnyaのファンであった諸氏は購入をためらう必要は無い。必ず、一定の満足感を得られるはずだ。責任推奨。
 
 

ダーク・スカイ・アイランド (デラックス盤)

ダーク・スカイ・アイランド (デラックス盤)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2015/11/20
  • メディア: CD



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Dreams of Childhood / Mark Kozelek & Nicolás Pauls

俺はRed House Painters時代からMark Kozelekのファンである、ということはこのブログでも何回も言及している。
 
しかしながら、最近のMark Kozelekのソロ名義での活動は、自ら主宰するバンド、Sun Kil Moonとの切り分けが曖昧になっており、ギターの弾き語りのみの作品をバンド名義で発表していたりして、実際に作品を聴いてみないと、彼がどの名義でどういった作風を見据えているのか、全く想像が出来ないカオスな状態が続いており、また、どの名義であろうと結果的に大差がなく、マンネリズムに陥っているのではないか、という疑念を払拭出来ずにいた。
 
が、今月、彼が主宰するレーベル、Cardo Verdeから、Nicolás Paulsなる人物との共同名義の作品が発表されるというインフォメーションを得て、俺は胸が高鳴るのを押さえられなかった。Desertshoreや、Album LeafのJimmy LaValleとの共同名義の作品はなかなか魅力的であり、彼の独断に任せるよりもコラボレーションを行った方がいい結果が出ているように思えたからだ。きっと何か面白い事をやってくれるに違いない、俺は確信した。
 
そして、ようやく迎えた発売日の本日、emusicで取り扱っているのを発見、迷う事なくアルバム全トラックをダウンロード購入したのだが・・・


Dreams of Childhood / Mark Kozelek & Nicolás Pauls

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トラック1、かすかに聴こえる子供達が遊んでいると思わせる環境音。これが20秒程続いた後、Mark Kozelekが淡々とつぶやきだし、1分29秒で何事も起こらず終了。ふむふむ、これはプロローグだな、と、思っているとトラック2、再びMark Kozelekがつぶやきだす。あれ?どうなってんだ?と思いつつ聴き進めるが、トラック3も同じ。これがトラック12まで続く。それ以降、最終となるトラック24までは多分、Nicolás Paulsなる人物のスペイン語(多分)の語り。唖然。

そう、この作品、楽器演奏は一切無く、詩の朗読のみで構成されているのである。トラック11のみ、Mark Kozelekが節を付けているが、到底、歌唱とは認められない。

 
なんだなんだなんなんだよこれはっ!


アルバムのアートワークをよくよく見れば、A Spoken Word Albumと小さく表記されているじゃねーか。あーもうっ!せっかくemusicから購入したのに、なんで事前に部分試聴しなかったんだよ俺ってば。全くもってつまらんもん買っちまったぜ。

もしかしたら、英語とスペイン語を充分情緒的に理解出来る人が聴いたら味わい深い作品なのかもしれないので頭から全否定するのもどうかとは思うが、俺が聴きたいのは音楽であり、残念ながら俺はこの抑揚の少ないぼそぼそとした朗読に魅力を感じられる程の高度な言語能力など持ち合わせていないのだ。


その昔、King Crimsonの作詞を担当していたPete SinfieldとBrian Enoの共同名義アルバムを発見、喜び勇んで購入したところ、Brian Enoの、明らかにやっつけ仕事とわかるアンビエント音響とPete Sinfieldの語りが交互に収録されている意味不明なもので、相当がっかりしたさせられた記憶があるが、今回はそれすら上回る超がっかりだよ。頸椎をカックーンと脱臼しそうだぜ。


ちなみに、来年1月、なんとMark KozelekとJesuとの共同名義の作品が発表されるらしい。Jesuの爆音スローコアにMark Kozelekの醒めた歌唱が乗れば絶大な相乗効果が期待出来るが、俺の思った通りの企画なのだろうか?これを聴いてしまうと、Jesuの爆音アンビエントとMark Kozelekの詩の朗読が交互に収録されているんじゃないだろうか、などと疑ってしまう。それでも、買う気満々の俺がいる・・・


ファンとは、かくも悲しく愚かしい者なのだよなぁ・・・




Dreams of Childhood: a Spoken

Dreams of Childhood: a Spoken

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Caldo Verde
  • 発売日: 2015/10/30
  • メディア: CD



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ひなたのネコ [日常]

日中でも時折、肌寒さを感じるようになった今日この頃。
 

気がつけばネコがひなたで気持ち良さそうにまったりしてた・・・

 
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お前、いいポジション確保してるじゃねーか。
 
それにしてもお前、いつからそんなすまし顔が出来るようになったんだ?
 
 
 
 
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