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Dark Sky Island / enya [Ambient/New Age/Experimental]

世の中にクリスマスムードが漂うこの時期にあわせたかのように、いや、絶対にあわせて、Enyaの新しいアルバムが発表された。


Dark Sky Island / enya

enya  dark sky island.jpg

もともとEnyaは寡作であるが、前回の作品から7年という、今までに無い長い歳月が経過している。しかしながら、この時間がEnyaの音楽性にどういう変化をもたらしたか、などと気にする者はいないだろう。デビュー当時からの共同制作者、Roma Ryan、Nicky Ryanとのコンビネーションは鉄壁、案の定、一聴してEnyaと解る、あの清冽な音世界が展開されている。前作と比べて何かが大きく変わったなんてことは無い。

もしかしたら、「それなら過去作品を聴いていても同じじゃないか」と思う者も居るやも知れないし、事実、そうなのかも知れない。

しかしながら、我々ファンの多くは、現在進行形で作品を発表している、Enyaの創作活動の検証者なのだ。Enyaと同時代を生きているファンは、今回の作品を聴いて、今までと同様に「ああ、これだよこれ」と安堵することだろう。完全に出来上がっているこのスタイルは、固有の音楽文化と言っても良い。

 
これは既に一つのジャンルを確立している、と言っても過言では無い、とさえ思う。

 
この珠玉の作品をあまり分析的に聴くのもどうか、と思うが、素晴らしい作品群のほとんどはデジタル機材の恩恵を被っていることは間違いない。しかしながら、注意深く聴いてみれば、コンピュータ制御の自動演奏はほとんど使用せず、彼女一人の手による、気が遠くなるような回数のアナログな鍵盤演奏によって成立していると思われる。これはヘッドフォンで注意深く聴いてみると解るのだが、微妙な発音タイミングのずれや、同じ音色の比較的簡易なフレーズが左右に振り分けられていたりすることからも推測できる。勿論、重層化されたコーラスワークにおいては何をか言わんやである。このあたりのアナログさ加減が、一つ間違うと機械的に響く危険性をはらむ比類無き透明感のある音色に、ふっと手をかざしたくなるかすかなぬくもりをたたえている所以だと思う。いずれにせよ、総じて、ひとかけらの悪意もなく製作された楽曲の数々には安心して身を任せられる。
 
さて、次の作品は何年後になるのだろう?たとえそれが5年先であろうと、10年先であろうと、Enyaがリアルタイムで発信する音楽作品は今後も間違いなく購入することを俺は確信している。そして、アプローチが変わっていないことを確認し、安心することだろう。Enyaに、そして彼女のリスナーにとって必要なのは時代に迎合した曲創りではない。これから先も、Enyaという文化は大きく形を変える事なく「Enyaらしさ」を貫いてくれることだろう。

勿論、今までEnyaのファンであった諸氏は購入をためらう必要は無い。必ず、一定の満足感を得られるはずだ。責任推奨。
 
 

ダーク・スカイ・アイランド (デラックス盤)

ダーク・スカイ・アイランド (デラックス盤)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2015/11/20
  • メディア: CD



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