Music From The Morning Of The World 『世界の夜明けの音楽』 [ガムラン]
久々の更新、たまにはガムラン音楽作品を取り上げてみようと思う。
それにしても、なんで今までこの作品を取り上げなかったのか自分でも不思議。
Music From The Morning Of The World 邦題は『世界の夜明けの音楽』
この作品、民族音楽のフィールドレコーディング(現地録音)の名手、David Lewistonの初録音作品にして歴史的名盤。録音は1966年、発表は翌年。この人の録音した世界各国の民族音楽作品はノンサッチ・エクスプローラーから大量に発表されているが、中でもこの作品が最も歴史的に価値が高いのではないか?
収録されている内容はと言えば、ケチャ、ゴン・クビャール、ガンブー、ゲンゴン、アンクルン、グンデル・ワヤン等、実にバラエティ豊か。中にはLullabyという名目で、女性の独唱まで収録されている。いわゆるオムニバス盤で、残念な事に部分的にしか収録されていない曲もある。まぁ、ケチャやバロン・ダンスの模様を全曲収録しようとしたらそれだけで一作品になってしまうので、これはいたしかたないところだろう。
また、曲毎に簡単な解説はあるものの、演奏者は明記されていない。これは、録音者、David Lewistonがバリ島の音楽の多様性に驚くあまり、楽団毎の個体差まで踏み込めなかった故ではないか、と思われる。まぁ、初めての取材旅行でバリに赴き、あふれんばかりの音楽にさらされ、全ての情報を消化しきれなかったのはわかるが、若干、録音対象、即ち演奏者に対するリスペクトが欠けているような気がしないでもない。が、David Lewistonはこの録音の20年後にバリを再訪、録音を行い、Gamelan & Kecakというオムニバス作品を発表しており、こちらには曲毎に演奏団体、演奏者のクレジットが表記されている。
演奏内容については決定的な欠点は見当たらない。が、前述の通り部分的にしか収録されていない曲もあるので、じっくりとバリ音楽の芸術性を堪能したい人には不満が残るかもしれない。しかしながら、様々なバリ音楽の紹介、と言って良い内容なので、「とりあえずバリの音楽を聴いてみたいが何を聴いたらいいかわからない」という初心者にとっては格好の入門編となるだろう。収録状況については決して良好とは言えないが、50年も前のポータブル機材を使用してのフィールド録音である事を考えれば仕方ないし、決して聴くに耐えないレベルではない。
こう文章にしてみるといまいちな印象になってしまうが、これは誰が何を言おうともガムラン音楽を広く世の中に知らしめた金字塔であることは疑いようもなく、ガムラン愛好者なら誰もが所持してなければいけない超重要作品なのだ。そして、この歴史的名盤が、現在はなんと千円以下で入手出来るのだ!
俺が輸入盤で入手した時は三千円近い投資をした記憶があるのだが・・・
ほんと、いい時代になったなぁ・・・
それにしても、なんで今までこの作品を取り上げなかったのか自分でも不思議。
Music From The Morning Of The World 邦題は『世界の夜明けの音楽』
この作品、民族音楽のフィールドレコーディング(現地録音)の名手、David Lewistonの初録音作品にして歴史的名盤。録音は1966年、発表は翌年。この人の録音した世界各国の民族音楽作品はノンサッチ・エクスプローラーから大量に発表されているが、中でもこの作品が最も歴史的に価値が高いのではないか?
収録されている内容はと言えば、ケチャ、ゴン・クビャール、ガンブー、ゲンゴン、アンクルン、グンデル・ワヤン等、実にバラエティ豊か。中にはLullabyという名目で、女性の独唱まで収録されている。いわゆるオムニバス盤で、残念な事に部分的にしか収録されていない曲もある。まぁ、ケチャやバロン・ダンスの模様を全曲収録しようとしたらそれだけで一作品になってしまうので、これはいたしかたないところだろう。
また、曲毎に簡単な解説はあるものの、演奏者は明記されていない。これは、録音者、David Lewistonがバリ島の音楽の多様性に驚くあまり、楽団毎の個体差まで踏み込めなかった故ではないか、と思われる。まぁ、初めての取材旅行でバリに赴き、あふれんばかりの音楽にさらされ、全ての情報を消化しきれなかったのはわかるが、若干、録音対象、即ち演奏者に対するリスペクトが欠けているような気がしないでもない。が、David Lewistonはこの録音の20年後にバリを再訪、録音を行い、Gamelan & Kecakというオムニバス作品を発表しており、こちらには曲毎に演奏団体、演奏者のクレジットが表記されている。
演奏内容については決定的な欠点は見当たらない。が、前述の通り部分的にしか収録されていない曲もあるので、じっくりとバリ音楽の芸術性を堪能したい人には不満が残るかもしれない。しかしながら、様々なバリ音楽の紹介、と言って良い内容なので、「とりあえずバリの音楽を聴いてみたいが何を聴いたらいいかわからない」という初心者にとっては格好の入門編となるだろう。収録状況については決して良好とは言えないが、50年も前のポータブル機材を使用してのフィールド録音である事を考えれば仕方ないし、決して聴くに耐えないレベルではない。
こう文章にしてみるといまいちな印象になってしまうが、これは誰が何を言おうともガムラン音楽を広く世の中に知らしめた金字塔であることは疑いようもなく、ガムラン愛好者なら誰もが所持してなければいけない超重要作品なのだ。そして、この歴史的名盤が、現在はなんと千円以下で入手出来るのだ!
俺が輸入盤で入手した時は三千円近い投資をした記憶があるのだが・・・
ほんと、いい時代になったなぁ・・・
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