The High End Of Low / Marilyn Manson （マンソン復活…したのか？） [HM/HR]
以前もしたためたが、俺は年甲斐も無くMarilyn Mansonのファンである。「なぜ好きなのか？」と訊かれれば、それはMarilyn Mansonに70年代のグラム・ロックの匂いを嗅ぎ取っているからだろう。
さて、前作、Eat Me, Drink Meは「鬱病の最中に作製した」という的外れな売り文句の全く元気がない駄作であったが、つい最近、脱退していたベーシスト、Twiggyが復帰しての新作を発表した。これは聴いてみねばなるまい、と購入。頑張って（？）全曲を通して聴いてみた。
The High End Of Low / Marilyn Manson
ビジュアル面ではステージでMansonと共に強烈な存在感を放っていたTwiggyであるが、Manson、もしくはプロダクションとどういう合意をしたのかはわからないが、この作品ではほぼ全編に渡ってベースの音が不必要に大きくミックスされている。その反面、ギターのプレイは無残なまでに精彩を欠いている。どうやら健闘していながらも以前からMansonに虐待されていたギタリストは脱退したらしい。
さて、肝心の内容であるが、前作と比較するとかなり良くなっている印象は受けるが、前作の「楽しめない暗さ」は改善されておらず、全体の印象は前作の延長路線にMechanical Animalsのテイストを盛り込んだ、といったところか。ま、これがいいかどうかは個人の美意識によって判断が分かれるところであろうが、基本的に「暗い」と言われる音が好きな俺が聴いても充分暗い。
数曲で、既存の曲からの流用ではないか、と思わせる部分があるが、これは作曲技法（技法、と言える程のものかどうかは別問題であるが）に起因するものであろう。しかし、何だかんだでMarilyn Mansonとしてはかれこれ10枚近い作品を発表しているわけであって、似通った曲が存在しない方が不自然かもしれない。
それにしても、やはり以前のようなHeavyでブチ切れたロックンロール（広義での）が聴かれないのは寂しい。なんというか、聴いていて「熱く」なれないのだ。一曲、アルバムの終盤にWe're From Americaというアップ・テンポの曲があるが、楽曲としてはあまりにも稚拙。音響のバリエーションで聴かせようとしているが、作曲と言う創造的行為の跡が希薄過ぎる。唯一、再加入したTwiggyは多少フレーズを工夫して曲を展開させているように聞かせようとしている局面が聴いて取れるがかなり無理がある。
やはり、今回もAntichrist Superstarを超えることは出来なかったか…クリアーしなければならないハードルを自ら作ってしまったとは、なんとも皮肉である。
今後、Marilyn Mansonというバンドは、MansonとTwiggyのユニットとして活動していく事が容易に察知できるが、いくらこの二人にステージ上でのパフォーマンス能力があろうとも、天才的な誰かがテコ入れしないとそう寿命は長くないように感じてしまう。
考え方を変えれば、もしかしたら現在のスタイルが彼らには向いているのかもしれない。彼らも充分キャリアを積んできたわけであって、決して若手とは言えない年齢に達しているのだ。
しかし、俺としては、Marilyn Mansonというバンドには、変に老成せず、猛烈な毒を撒き散らしながら突っ走ってぶっ壊れて伝説になって欲しい。止めるなら今だろうし、続けるなら周辺人事を含めたダイナミックな意識改革が必要だと感じる。
総じてこの作品、俺は「もうちょっとどうにか出来ただろうに」と感じているが、前作で失望したファンには一定の満足は与えられるかもしれない。逆に、前作を気に入っているファン（いたらの話であるが）にとっては充分納得の出来だろう。
ところで、この作品の主な購買層である（と思われる）10代後半から20代の女性ファンはこの作品をどのように捉えているのだろう？その昔、In Rockより先にMachine Headを先に聴いてDeep Purpleのファンになった俺のように、中にはAntichrist Superstarの奇跡を知らずに最近ファンになった者も居るはずである。中には「傑作！」と、絶賛する者もいるかもしれない。非常に興味がある。
さて、前作、Eat Me, Drink Meは「鬱病の最中に作製した」という的外れな売り文句の全く元気がない駄作であったが、つい最近、脱退していたベーシスト、Twiggyが復帰しての新作を発表した。これは聴いてみねばなるまい、と購入。頑張って（？）全曲を通して聴いてみた。
The High End Of Low / Marilyn Manson
ビジュアル面ではステージでMansonと共に強烈な存在感を放っていたTwiggyであるが、Manson、もしくはプロダクションとどういう合意をしたのかはわからないが、この作品ではほぼ全編に渡ってベースの音が不必要に大きくミックスされている。その反面、ギターのプレイは無残なまでに精彩を欠いている。どうやら健闘していながらも以前からMansonに虐待されていたギタリストは脱退したらしい。
さて、肝心の内容であるが、前作と比較するとかなり良くなっている印象は受けるが、前作の「楽しめない暗さ」は改善されておらず、全体の印象は前作の延長路線にMechanical Animalsのテイストを盛り込んだ、といったところか。ま、これがいいかどうかは個人の美意識によって判断が分かれるところであろうが、基本的に「暗い」と言われる音が好きな俺が聴いても充分暗い。
数曲で、既存の曲からの流用ではないか、と思わせる部分があるが、これは作曲技法（技法、と言える程のものかどうかは別問題であるが）に起因するものであろう。しかし、何だかんだでMarilyn Mansonとしてはかれこれ10枚近い作品を発表しているわけであって、似通った曲が存在しない方が不自然かもしれない。
それにしても、やはり以前のようなHeavyでブチ切れたロックンロール（広義での）が聴かれないのは寂しい。なんというか、聴いていて「熱く」なれないのだ。一曲、アルバムの終盤にWe're From Americaというアップ・テンポの曲があるが、楽曲としてはあまりにも稚拙。音響のバリエーションで聴かせようとしているが、作曲と言う創造的行為の跡が希薄過ぎる。唯一、再加入したTwiggyは多少フレーズを工夫して曲を展開させているように聞かせようとしている局面が聴いて取れるがかなり無理がある。
やはり、今回もAntichrist Superstarを超えることは出来なかったか…クリアーしなければならないハードルを自ら作ってしまったとは、なんとも皮肉である。
今後、Marilyn Mansonというバンドは、MansonとTwiggyのユニットとして活動していく事が容易に察知できるが、いくらこの二人にステージ上でのパフォーマンス能力があろうとも、天才的な誰かがテコ入れしないとそう寿命は長くないように感じてしまう。
考え方を変えれば、もしかしたら現在のスタイルが彼らには向いているのかもしれない。彼らも充分キャリアを積んできたわけであって、決して若手とは言えない年齢に達しているのだ。
しかし、俺としては、Marilyn Mansonというバンドには、変に老成せず、猛烈な毒を撒き散らしながら突っ走ってぶっ壊れて伝説になって欲しい。止めるなら今だろうし、続けるなら周辺人事を含めたダイナミックな意識改革が必要だと感じる。
総じてこの作品、俺は「もうちょっとどうにか出来ただろうに」と感じているが、前作で失望したファンには一定の満足は与えられるかもしれない。逆に、前作を気に入っているファン（いたらの話であるが）にとっては充分納得の出来だろう。
ところで、この作品の主な購買層である（と思われる）10代後半から20代の女性ファンはこの作品をどのように捉えているのだろう？その昔、In Rockより先にMachine Headを先に聴いてDeep Purpleのファンになった俺のように、中にはAntichrist Superstarの奇跡を知らずに最近ファンになった者も居るはずである。中には「傑作！」と、絶賛する者もいるかもしれない。非常に興味がある。
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Universal Japan
- 発売日: 2009/05/26
- メディア: CD
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Universal Polska
- 発売日: 1996/10/08
- メディア: CD
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