バリのうたごころ [ガムラン]
バリで購入したカセットのデジタル化は遅々として進んでいないが、デジタル化する過程で久しぶりに聞いてみるとその良さを再認識できる作品にぶつかったりして結構おもしろい。
特に心を動かされたのが、知る人ぞ知る、しかしスリン（竹製の笛）を演奏する人なら知らない人は居ないGUSTI PUTU OKAさんのスリンのみ（一部弟子との合奏）の演奏を収めたこれらの作品群。
実はこれらの作品群は、俺がルバブ（ガムランの旋律楽器。胡弓のようなもの）の勉強を始めたころ、先生から「ルバブはスリンと兄弟のようなもの。スリンの音を聴いて演奏しなさい」というアドバイスを受けて購入したカセット。
正直言うと、購入当時はスリンのソロだけを聴いていると、装飾音をやたらと付けているので基本旋律が全く解らず、「いったいどうなっとるんだ？」と、混乱したものだが、こうして改めて聴くと、いやぁ、素晴らしい！節回しが実にツボにはまっているのは言うに及ばず、フレーズの切れ目のちょっとした間合いも絶妙だ。これらの録音を聴いていると、ある時は一面に広がる田園風景、ある時は霧に煙る渓谷、ある時は見渡す限りの椰子の林（サヤンあたり）が目の前に広がってくるような感覚におそわれる。勿論、その風景を実際に見たことのない人にしか理解できないフラッシュ・バックなのかもしれないが、それほどまでに感覚に訴える演奏であることは間違いない。まさに魔術的。
バリの民族音楽というと、激しい金属製鍵盤打楽器の音響に耳を奪われがちだが、こういう真に癒し系の音もあるのだ。さえずる小鳥のように、田圃を渡る風のように奏される旋律。心の深いところまで音が染み渡ってくる。まさに「バリのうたごごろ」と言うにふさわしいと思う。
残念ながらGUSTI PUTU OKAさんは、1998年のGUNUNG SARIのヨーロッパ公演に参加中に体調を崩し、そのまま回復されることなく他界してしまったが（本当に、本当に残念で残念で残念でならない･･･）、民族音楽の世界では、インドのバンスリ（横笛）奏者、ハリプラサド・チョウラシアにも匹敵する最高の芸術家であったと思う。
日本で発売されているこれらCDでもGUSTI PUTU OKAさんの素晴らしいスリンが聴ける。
「バリ/グヌンサリのゴン・クビャール」
- アーティスト: ガムラン・ゴン・クビャール,プリアタン,グヌン・サリ楽団
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2008/07/09
- メディア: CD
そして、ちょっと（かなり？）通好みだが、極めつけはこれ！
「バリ/プリアタンのググンタンガン・アルジャ」
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2008/07/09
- メディア: CD
久しぶりに更新されていて、しかもバリネタは嬉しい限りです♪
だんだんと蒸し暑くなるこの頃は,その暑さだけでバリへの郷愁が掻き立てられます。こんなにカセットを紹介されたのでは、もうバリへの郷愁どころか、ある意味“恋心”である。ただバリを想うだけで切なくて苦しくて⋯ まぁ、単なる現実逃避ともいうかもしれないけれどf^_^;
昨日は授業後に思い立って成田空港へ
もともと大の飛行機好きなのですが、やっぱり暑くなってくるといても立ってもいられなくなるのですよ。旅立ちたい衝動に駆られるのですっ。第一ターミナルの展望デッキからコンチネンタルの機体を発見しては携帯のカメラにおさめるアタシ⋯恋心を通り越して病気かもしれません。バリ恋しい病(^_^A
by shino-chan (2006-05-26 23:42)
shino-chan、こんばんは。
現実逃避、時として必要ですよ。やっぱり、24時間一年365日頑張ってなんぞいられませんてば。
今日は音工場の発表会に行ってきました。雨上がりの湿気がバリっぽうてもうたまりませんでした。
by lagu (2006-05-28 21:11)