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ガムラン風味ニューエイジ (Mike Oldfield / Islands) [Ambient/New Age/Experimental]

世の中にはガムラン音楽に影響を受けたとされる商業音楽作品が多数存在する。が、いくら俺がガムラン好きとは言え、「ガムランと何らかの接点があるらしい」という一点のみで、それらをいちいち追いかけてしらみつぶしに聴くほど酔狂ではないし、時間的にも経済的にもそんな余裕はない。それに過去の経験からすると、正直俺にとっては「・・・なんか違うんじゃねぇか?」と思わせるものが多いのだ。ま、これは好みの問題もあるが・・・
勿論、全てがダメとは言わないし、稀に面白いものにぶちあたることもある。が、かなりの確率で失望することが予想されるのに、わざわざ何千円も払ってがっかりすることを確認する気にはならないんだよな・・・

とはいいつつ。

Mike Oldfield / Islands

mike oldfield islands.jpg


Tubler Bellsでつとに有名なMike Oldfieldの87年作品。俺自身は彼の3作目、Ommadawnがものすごく好きで、大名盤だと思っている。
この作品がバリの音楽に影響を受け、バリまで取材旅行を敢行して録音した音源を使用している、ということは知っていたが、前述の通りなので今まで聴く機会がなかった。が、千円以下で中古盤が出ていたのを見つけ、買ってしまったぜ。

で、実際に聴いてみた感想だが…
(ここから先はMike Oldfieldの盲目的信奉者はご遠慮下さい)







くっだらねぇ~

 

 

 

CD一曲目の20分に渡る大作(?)で、サンプリングしたうすっぺらなケチャが何度も登場する。その使い方は滅茶苦茶安易。また、金属製鍵盤打楽器をサンプリングした音もそこかしこで使われ、なんとなくガムラン風のフレーズが聴かれるが、よくよく聴いてみるとこの音はサンプリングですらなく、ガムランに似せてシンセで作った音のようだ。ますますくだらねぇ。さらに、ガンサの細かいパッセージを意識したと明らかにわかるミュートしたギターのフレーズがこれみよがしに登場し、理解のうすっぺらさに拍車をかけている。

 

いったいこの人はバリくんだりまで何をしに行っていたんだ?

 

20分に渡る大作、と言っても、Ommadawnの頃のような根底に流れるメロディーも存在せず、実際は細かい曲が大した脈絡もなく繋がっているだけだ。そもそも基盤となるべき曲がつまらないのに、その上にエスニック風の味付けをしたっていい結果が生まれるわけ無い、ということに商業音楽のプロフェッショナルが何で気が付かないのか。全く理解に苦しむ。

残る6曲は歌ものなのだが、これがまたどれもそろいもそろって子供向けファンタジー映画のエンディングテーマみたいな曲。程ほどにいい曲なのはわかるのだが、あまりの気恥ずかしさに思わず首筋がむずがゆくなる。いったいどんな層に向けて発信したんだこの人は・・・

もしかしたら、発表当時は最先端の技術と機材を駆使して製作された音楽として多少は有難がられたのかもしれないが、今となっては聴くも無残。創造力の欠如を補う為に引っ張り出された民族音楽はいい迷惑だ。ニューエイジミュージックの悪いお手本と断言する。これだったら初期の素晴らしい作品、即ちTubler BellsやOmmadawnを聴いていれば十分と言える。

この作品を聴くことは2度と無いだろうと思う。これにて了。

後日記:俺が購入した店とは別のショップでなんと¥315(!)でこの作品が売られているのを発見。同じ棚に複数並べられていたMike Oldfieldの他の作品を差し置いてダントツの安さだった。収録内容が値段に反映されているとすれば当然の結果である。また、金属製鍵盤打楽器のような音は、実際に金属製鍵盤打楽器のサンプリングを行い、電気的に加工したものであるらしいことが判明。本来の音響を歪めてしまうのであれば、何が目的でサンプリングしたのか、全くもって本末転倒だ。ほんっと、くだらねぇ。


…それでも聴いてみたけ りゃ…責任もたんぞ。


Islands

Islands

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Virgin
  • 発売日: 2000/06/30
  • メディア: CD


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コメント 1

ぱうだー

「Tubler Bells」レコード持ってます!
一人でこつこつ録音したって言うのでものめずらしく買った記憶が・・・
「エクソシスト」がなかったら買ってないかも・・・
多分一度くらいしか聴かなかったかなぁ。
by ぱうだー (2006-02-14 00:11) 

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