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現代的サイケ (Agaetis Byrjun / Sigur Ros) [Post Punk / Post Rock]

このブログでは70年代ロックがやたらと登場するが、別に古いものにこだわっているわけじゃない。新作の発表を楽しみしているお気に入りの若手バンドだってあるぞ。
この作品、日本デビュー前に輸入盤を扱うショップでたまたま見かけ、MY BLOODY VALENTINEのLOVELESSと出合ったときに似た胸騒ぎがしたので購入。この判断は正しかった。

Agaetis Byrjun / Sigur Ros

sigur ros ab.jpg


ゆったりとしたリズム、美しいメロディー、荒ぶることの無い淡々とした演奏だが、心の深いところまで音が染み渡っていく。弓を使った特徴的なギターの音色も面白い。基本的なバンドの音の他に、随所でホーンやストリングス、ハーモニカなどの生楽器も効果的に使われている。若干、効果音による装飾が過多な印象を与えるが、それもこの作品の雰囲気を創るのに重要な役割を果たしている。全体を通して心地よい浮遊感が横溢しており、音の処理も奥行きと広がりを感じさせる。なにより過度にデジタル技術に頼っていないところが気に入った。一曲、明らかにYOU KEEP ME HANGING ONからの借用とはっきり判るメロディーの曲があり、他にもなんだかどこかで聴いたようなメロディーがやたらと登場するが、それらは見事に消化されており、違和感は全く感じられない。

なんとなく、PINK FLOYDの作品と雰囲気がオーバーラップする。これはまさに酩酊系サイケの現代型だ。間違いなく後世に残っていく名盤といえるだろう。

実はこの作品を初めて聴いたとき、「歌詞が何言っているんだか全然解らんな」と思い、ジャケットを見たら少ない文字情報からアイスランドのバンドらしいことが判明。「なるほど、アイスランド語の歌詞なのか、それなら解らなくて当然だ」などとその時は納得した。後に日本デビューを果たし、色々と情報が入ってくるようになって知ったのだが、どうやらハナモゲラだったらしい。ライブでも全く同じように歌えるのだろうか?
ちなみに、本国アイスランドのみで発売されていた一作目も聴いてみたが、あれはいけない。現代音楽風の無意味な音のつながりの中にところどころ稚拙な曲が登場するわけわからん(ある意味、よくわかる)駄作だった。本人たちは実験音楽のつもりだったのかもしれないが、ああいった実験は数十年前にいたるところで充分されて結果も出ている。二十歳そこそこのガキの前衛ごっこに付き合ってやるほど世間は甘くない、ということによくぞ気が付いてくれたものだ。

つい最近、新作が発表されたようだ。今日にでも購入しよう。楽しみだ。


Ágætis Byrjun

Ágætis Byrjun

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Play It Again Sam
  • 発売日: 2001/05/22
  • メディア: CD

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