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グラムロックは死なず (The Slider / T.Rex) [Rock]

つい先日、帰宅途中に乗換駅で電車を待っていると、妙に親近感のあるファッションに身を包んだ男が俺の前を通過した。金髪のロングヘアー、ロンドンブーツ、ピチピチのボトム、フリルのブラウス・・・
うわぉ。マジかね?これってグラムぢゃないかぁっ!20ン年前の一時期、俺もほぼ似た様な格好で渋谷や新宿、原宿あたりでたむろしていたもんだが、まだこんな奴が生きていたのか?いったい日頃何をして生活しているんだ?
事情通にこの話をしたところ「そりゃ、ネオ・グラムっつう一派だぁね」とのこと。なんでも最近、若い連中の一部で昔のグラム風ファッションが復権しつつあるんだとか。しかし、俺が見かけたグラム野郎はどう見ても40歳は超えていたような気がする。俺は、彼が20年以上前から自分のスタイルを貫き通して現在に至ったのだと思いたい。いや、思いたくない。いやいや、思いたい・・・どっちだろう?よくわかんねーや。

いずれにせよ、ネオ・グラムだろうが真性グラムだろうが、この作品を避けて通ることはまかりならん。

THE SLIDER / T.REX

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グラムロックというと真っ先にこのジャケットを思い出す。ELECTRIC WARRIORをT.REXの最高傑作とする向きもあろうが、俺はこのTHE SLIDERの方が好きだ。理由は・・・特に無い。ま、どっちにしろ、誰が選んでもこの2作品は順番こそ異なるかもしれないが1番と2番になるに決まっている。
T.REXはR&Bの影響をかなり受けている。ような、気がする。断言出来ないのは、MARK BOLANというフィルターのカリスマが強烈過ぎるため、何をやってもT.REX のスタイルとして確立されているように見えるからだ。覚えやすいリフ、女性コーラス、横ノリのリズム、その他諸々の要素がR&Bの影響を示唆しながらも独特の匂いを放ち、たとえようもなく隠微な独自の世界を展開している。
絶妙なポップセンスに裏打ちされた、コンパクトにまとまった曲の数々は聴いていて飽きない。いや、飽きる前に終わる。ギターソロは申し訳程度、けれんみたっぷりなビブラートをかけるボーカル、演奏はベタベタで平坦(ま、これはグラムの特徴だが)。曲自体も単調だ。う〜ん、こうしてみると、音楽家としてのT.REXの評価って、どうなんだろう?
が、そんなことどうだっていいのである。MARK BOLANは誰がなんていったってまごうかたなきロックスター。ブギーのアイドルが中途半端に小難しいことなんかやる必要ない。彼がサテンのスーツに身を包み、低い位置にレスポールを構え、コークスクリューヘアーを揺らしながら内股でOh!Yeah!と一発かませば全てオーライだ。ラメラメにグラマラスでギラギラにグリッターだぜ。
グラムのアンセムと言って良い名曲、METAL GURUやTELEGRAM SAMが素晴らしいのは当然だが、俺はこの上なくエロいタイトル曲、THE SLIDERが一番好きだ。こういう音はいつか卒業するもんだと思っていたが、どうやら俺は一生聴き続けるらしい。ま、好きなんだからしょうがねえよな。

因みに、もう50過ぎのロックジジイの証言によると、T.REXの来日時公演時、新宿通りにはサテンのスーツを着た似非MARK BOLANが大量発生したそうだ。


The Slider

The Slider

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Demon
  • 発売日: 2006/06/26
  • メディア: CD

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