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Summer Sun / Yo La Tengo [Post Punk / Post Rock]

このバンド、そのアプローチの多様さから察するに、メンバーは様々な音楽を聴いてきた、と思われる。都会的なのか素朴なのか判断に苦しむような音創り、そして時折聞かれる、聴き手を煙に巻くような音響。どこかVervet Undergroundを思い起こさせるような雰囲気。決してテクニックを誇示するようなことはなく、淡々と曲は進行する。

というより、そもそもこのバンドに、人様に誇示できる程の演奏テクニックを持ち合わせているメンバーがいるのだろうか?

多分、いないんだと思う(笑)。

Summer Sun / Yo La Tengo

yo la tengo summer sun.jpg
それにしても、なんか締まらねぇデザインのジャケットだなぁ…(笑)

このバンドについてはあまり詳しくは知らない。どうやら80年代から夫婦者が中心として活動を始めたようだ。過去作品を聴いてみると、あまり統一したカラーは感じない。作品を重ねる毎に進化しているという印象も無い。音楽性は雑多。中にはJesus & Marychainを彷彿させる爆音ロックンロールを収録している作品もあったりする。

このバンドの作品は多分7~8枚程度しか聴いていないし、結成当初は知らないので(遡って聴くほどではないので)、バンドの立ち位置については良くわからない。ただ、明確な根拠はないが、なんとなく同時期に活躍していた(今でも活躍しているのか?)Stereolabに共通した匂いを感じ取る事が出来る。どことなく「モンド系」な雰囲気が似ているのかもしれない。しかし、Stereolabは作品を重ねるごとにどんどんと音を創り込んで行ったのに対し、Yo La Tengoはその時々に「自分達が好きで聴いた音楽の雰囲気」を記憶の引き出しの奥から引っ張り出し、特に再検証も行わずに、自分達流に演奏しているような印象を受ける。

当然、出来上がった音は、彼らがイメージしたと思しき音をリアルタイムで聴いて心酔していた熱心なファンからすれば不完全であり、「やりたいことはわかるけどさぁ、ツメが甘いんじゃねぇか?」と思わせる局面も皆無ではない。しかし、彼らの記憶から欠落したそれらの部分は彼ら独自のカラーで補われ、いい感じの「ユルさ」が現出していることも否めない。そして、その「ユルさ」こそが、このバンド最大の魅力であり、最もいい形で具現化されたのがこの作品である、と、思っている。

購入当時は頻繁に聴いていた。その後もほどほどにユルい気分になりたいときはこの作品に手が伸びる。何度聴いても飽きる事がない素直な音。狙いすぎていない程良いメロディー。この作品発表後、バンドは何作か新作も発表しているが、俺はこのSummer Sunが一番好きだ。どこといって突出したところはないが、この作品とは、一生「ユルい」お付き合いが出来ると思う。

Summer Sun

Summer Sun

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Matador
  • 発売日: 2009/11/02
  • メディア: CD


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コメント 2

石原茂和

このビデオを.
http://www.youtube.com/watch?v=aWr6Ep8N3OU
最高です.

Yo la tengoのユダヤ的な部分を,昔どなたか評論家の人が書いていた.このビデオを見ると,とてもよくわかります
アメリカで,ユダヤ系で,そこそこインテリだけど,なんかちょっと芸をせずにはおれないというか,Woody Allen的な.素朴さを素直に出したい出せないような.
by 石原茂和 (2009-11-13 13:49) 

lagu

こりゃ、まいった(笑)
by lagu (2009-11-13 15:52) 

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