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バンドって楽しい…か?(其の二) [音楽一般]

これまた昔(20年以上前)の話であるが。
  
アマチュアながらもかなりいい線まで行っていた正統派ハードロックバンドから脱退したベーシストとドラマーが「新しいバンドをやりたい」と、ギタリストのオーディションを行っていた。丁度新バンドを結成すべくメンバーを探していた俺はそこに入る事に決めた。と、言っても、当然、俺もオーディションを受けることになった。(後にも先にもオーディションを受けたのはこのときだけである)複数のギタリストがオーディションに来ていたが、当然俺が落ちようはずもなく、(えっへん)そのまま採用となった。

問題となったのはソング・ライターであるベーシストと俺の音楽性の違いである。(っつーか、目指している音楽性はオーディションの基準にしろよ、と、思わないでもないが)リーダーでもあるベーシストは、ひねりのあるポップなハードロックをやりたい、と、言う。しかし、俺の頭には彼の描いている理想の音が全くイメージ出来ない。俺はオーソドックスなロックンロール、パンクを通過した上でのハードなロックンロールをやりたかった。最終的に、曲は俺とベーシストが分担して書き、お互いを尊重する、ということで折り合いがついた。

俺達よりかなり若いドラマーは…音楽的思想はまるでなし(笑)。とにかくCozy Powelの様にツーバスでドカスカと叩きまくれればそれで良かったようである。ま、年齢以上の実力はあったし、まだ若いので、これから作っていく音に合せてプレイの「勘どころ」を指示すれば大丈夫だろう、ということになった。


甘かった。


「バンドの呼吸を合せるためにとりあえずシンプルな曲で練習しよう」と、3コードの曲を作ったのだが、なぜかRAINBOW風になるのである。原因はドラマーの過剰なプレイ。とにかくやたらと「おかず」を入れるのだ。絶えずシンバルは鳴りっぱなし。うるさいったらありゃしない。特にエンディングになるとツーバスは高速で鳴りっぱなし、メロタムは流すわシンバルは乱れ打ちするわ挙句の果てにチャイナ・シンバルを連打するわでいつまで経っても止まらない。こっちはジャーンとコードを鳴らし、奴の気が治まるのを待つ事数十秒、ってことが続き、さすがの俺達も怒った。

「おい、やめろ。おい、やめろ。おい!ストーップ!
「え?」
「おまえよぉ、曲の全体像を把握して叩いてるか?」
「間違ったっけ?」
「いや、そうじゃなくて、なんでそんなにどやかましいんだ?」
「やかましい?」
「ああ。うるせーよ。お前、もうちょっと普通に叩けないんかい?」
「これが普通じゃない?」
「全然ふつーじゃねーよ!どうしてなんでもかんでも叩くんだ?」
「Cozyはこのくらい叩いてるぞ?」
「だ・か・ら、一回Cozyは忘れろ!」
「…」
「Cozyだってこの曲だったらそんな叩き方しねぇはずだぞ」
「…だって、曲が地味だし、この曲でドラムが目立つところって言ったらエンディングくらいしかねぇだろ」
「…(呆)お前、この曲だったら、ドラムは『タッドン、タタドン、タドドジャーン』って終わるのが当たり前なんだよ!」
「え?」
「だから、こうだ!(ドラムセットに座り)『タッドン、タタドン、タドドジャーン』こうだ。わかったか?」
「…なんか、つまんねぇ…」
「つまんなくても、まずこれが出来なきゃお話になんねぇんだよ!」
「…」
「じゃ、最初からやるからな。忘れるなよ」


最初から演奏。曲はエンディングに差し掛かった。



やっぱり甘かった。


タッドン、タタドン、タドドジャーン、ドコドコドコドコタカタカタカタカガシャーンガシャーンガシャーンドカスカパカスカドカスカパカスカドコドコドコドコ、ガシャーン、タタタタタタタタタタ、ドカッ!ガシャーン…


お前は北斗の拳かい…



気が向いたら続く

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