SSブログ

JOHNNY WINTER AND - LIVE、夏向きだぜ [Rock]

暑い・・・暑いからと言って、エアコンの効いた室内で涼しげなNEW AGEばかり聴いていると気力はどんどん萎えて来る。まだまだ夏は始まったばかりだぞ。この程度でめげていてどうする?
こういうときこそ窓を全開にして暑苦しい音楽を聴きながらビールを飲むのだ。

それは例えばこういう音楽だ。

LIVE / JOHNNY WINTER AND

8715631.jpg

1971年発表、泣く子も黙るJOHNNY WINTERのライブ盤である。JOHNNY WINTERはメジャーデビュー時の契約金額から、『100万ドルのブルース・ギタリスト』などと言われているが、このアルバムではいわゆるブルースは一曲のみで、その他の曲はアップ・テンポの調子のいいRock'n'Rollで構成されている。はっきり言ってしまえば、ブルースを弾きこなせれば、Rock'n'Rollなんぞ技術的には『オチャノコサイサイ』なのである。

このアルバムはほとんど他人のカバー曲で構成されている。そして、作曲者のクレジットすらスリーブに記されていない。彼はスタジオ・アルバムでもよくカバー曲を何曲も取り上げている。が、それでは原曲に忠実に演奏しているかというと、全くそんなことは無く、あくまでもJOHNNY WINTER流に解釈、というか、特にこれといった解釈は加えず、自分流に豪快に弾き飛ばしている。彼にとっての曲とはギターを弾くための口実であって、「いい曲を書こう」という意識は希薄なのではないだろうか?

もともと彼はブルース・ギタリストなのである。新しい表現の地平を切り開こうだなんてこれっぽっちも思っていなかったのではないか?そしてブルース/ロックンロールの先人達はそれこそ気が遠くなる程の曲をほとんど決まりきった3コードの中で書いている。そんな膨大な名曲がある中、制限のあるコード進行で新曲を書こうだなんて、極論を言えば無意味だとも思われる。俺はギターを弾きたいだけなんだぜ?ここはいっちょ開き直って、ライブではいい曲があればそれを素材に演奏すりゃいいじゃんか。そうだそうだ、やったれやったれ、といったノリで演奏されたのではないだろうか?

内容はと言えば、とにかく、全編に渡って繰り広げられる火花が飛び散るようなブルース魂炸裂の勇猛果敢なプレイの連続。もう一人のギタリスト、Rick Derringerが流麗なソロを弾いていてもお構いなしに割り込み、強引にねじ伏せる。強烈なエゴであるが、そもそもこのアルバム・タイトルを見ればわかるように、バンドにはまともな名前さえ与えられていない。しかし、一歩も引かずに互角に渡り合っているRick Derringerも大したタマだ。
忘れてならないのはドラマー、Boby Caldwellの存在だ。(同名の歌手がいるが、別人である)堅実ながらもド派手な演奏でガッチリ脇を固めている。こいつもRick Derringer同様、全く遠慮していない。『スター・ギタリストをサポートしている』という意識はほとんどないのではないか、と思わせるほど手数が多いが、これがまたカッコいいのである。特に一曲目のGood Morning Little School Girlでのプレイのドライブ感は尋常ではない。
そして、誰もが認めるであろうが、このアルバム中、もっとも痛快なのはRolling Stonesのカバー、Jumpin' Jack Flashであろう。原曲に対する敬意は・・・ほとんど払われていない(笑)。オリジナル曲にある冒頭部分はスカッと飛ばし、いきなりメイン・フレーズから弾き始める。その粘っこさ。程なく「Yea!」の掛け声。観客の熱狂の叫び声。メロディーは崩しまくりで、気分の赴くままダミ声でがなり立て、自由奔放に弾きまくる。「どうだ、こういうのをRock'n'Rollって言うんだぜ」と言わんばかりの自信に満ちたプレイだ。

文句無しにカッコいいじゃねぇか。こんちくしょうめ。

ま、もしかしたらRolling Stonesのファンの一部にはこのカバーを面白く思わない輩もいるやも知れないが、出ている結果がこれだからしょうがない。俺自身もRolling Stonesのファンだが、JOHNNYは自分でも演奏してみたいと思える程にいい曲だと認めたから取り上げたのだろうし、同じアルバムに、Johnny B. GoodeやGreat Balls Of Fire等の名曲が収録されていることを考えれば、Stonesとしても面子は保たれたのではないだろうか?

Live Johnny Winter And

Live Johnny Winter And

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sony/BMG
  • 発売日: 2008/02/01
  • メディア: CD

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0